新しい季節のはじまり
「矢野を出せよ!」と球場中のみんなが思っていた。
9回の表、選手交代でも矢野選手の名前は告げられなかった。
球児が投げ始めても、鳴り止まない矢野コール。
勝ち負けはともかくとして、雨の中みんなが待ち続けたのは、甲子園でもう一度球児とバッテリーを組む矢野選手の姿だったのに。
たぶん監督が岡田さんだったら絶対に矢野選手を出しただろうなあ。
そういう采配に男気のある人だったから。
試合後の引退セレモニーであんな風にたくさん花束渡すよりも、もう一度この甲子園でグラブを構えることこそ花をもたせることではなかったのか。
選手の気持ちをひとつにまとめて走り続けた司令塔の矢野捕手。
ライトスタンドも彼のふりしぼるような挨拶に涙がとまらない。
でもこうして(高知のリトリート中にチケットをみんなが電話してとってくれた)甲子園での最終戦で矢野選手を目の前で拍手とともに見送れてよかった。
「また必ずこの甲子園にかえってきたいと思います」と。早く監督として帰ってきてほしい。
選手人生というひとつの季節が終わり、新しい季節のはじまりだ。
心からの応援と感謝の気持ちをこめて。
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