Sunny 4
松本大洋氏のSunny4巻 最新作。
新刊が出たと同時に取りよせ、何度もなんども繰り返し読んでいる。
浦沢直樹氏のような技巧にすぐれた絵のうまさとは異なるのだが、わたしがとっても好きな絵。
この人の絵はどうしてこんなにあたたかくて優しいんだろう。
どうして、心の細部にしみていくんだろう。
ストーリーがどんどん展開するわけではなく、どきどきわくわくがあるわけでもない。
だけど、この作品に触れられたことは大きな幸せだ。
松本大洋氏のSunny4巻 最新作。
新刊が出たと同時に取りよせ、何度もなんども繰り返し読んでいる。
浦沢直樹氏のような技巧にすぐれた絵のうまさとは異なるのだが、わたしがとっても好きな絵。
この人の絵はどうしてこんなにあたたかくて優しいんだろう。
どうして、心の細部にしみていくんだろう。
ストーリーがどんどん展開するわけではなく、どきどきわくわくがあるわけでもない。
だけど、この作品に触れられたことは大きな幸せだ。
久しぶりに、一晩で全6巻一気に読んだコミック。
火の民族、日本人のルーツをたどりながら、沖縄久高島に端を発する壮大なストーリー。
SF的な要素が濃くなるところもあるけれど、邪馬台国の東遷説など、民俗学的にもとても興味深い。
卑弥呼、イザナミ、アマテラスのつながりなどなど、眠れなくなる面白さである。
画力も素晴らしいけれど、やはり作者の組み立てるストーリーも力がある。
本のレビューが続くけれど・・・。
読んでいたら、勝手に涙が流れて、画面がぼやけてしまう。
こんなせつなくて、胸の奥にくる漫画はなかなかなかったな。
松本大洋氏の作品はどれも好きだけど、珠玉のものだと思う。
どうかこの本を、すべての方へ。
久しぶりに、続けて二回読み直した本。
お医者さんが書いた、「自分の病気を自分でなおしていくための本」である。
簡単にまとめると・・・。
細菌が起こす病気が主役であった時代から、ストレスが主因で起こる病気の時代に、ここ近年おおきく変遷してきている。
高血圧や、胃潰瘍、心臓疾患や精神障害、そして糖尿病や、各種のアレルギー反応などである。
このストレスというのがクセモノで、人によってそのストレッサー(原因)はまちまちなのである。
海や川が好きな人にとっては、心の落ち着く場所であっても、おぼれた経験のある人にとっては、そこは大きなストレッサーとなる。
神経の細やかな人にとっては、人付き合いや気苦労がおおきなストレッサー。
このストレスが引き起こす、自律神経失調症的な現代病は、単なる慢性的機能障害であって、病人から独立した実体的な病気ではないということである。
不眠や肩こり、頭痛や疲労感などは最新の診断装置でも実体がとらえられないのだ。
では、このような心因性のストレッサーが引き起こす慢性機能障害にどのように対処していったらいいのか。
薬で胃潰瘍を直しても、それは対症療法であって、根治にいたらない。細やかなことに心がとらわれていると、また胃潰瘍を再発してしまう。
まさに、禅やヨーガがアプローチする手段でもあるのだけれど、自分で自分の自律神経を整えていくすべをもつことである。
多少のことで、おおきく揺れない心、すぐニュートラルな状態にもどせる方法。
ヨーガクラスではリラクセーション法として、ジェイコブソンメソッドを導入しているが、この本に出てくるシュルツの自律訓練法も非常に有効ではないかと思う。
古い本だが、みなさんの手元にもぜひおいていただきたい一冊である。
フィールドワークとその素晴らしい切り口、文章のセンスなどなど、私が尊敬してやまない根本敬氏の最近の著書「真理先生」(なんだか縁を感じる)からの文章が面白かったのでここに。
はっきりいうと本編の内容とはまったく関係ないような部分なのだが、なんだかとても真実をついているので思わずうーんと考え込んでしまった。
真実の迷宮に奥深く入り込み、方々いたるところに散らばった因果のパズルを合わせて行くと、朧げながら多少その全貌が見え始め、そしてパズルの断片が揃うにつけ、自ずと寡黙に成らざるを得ない。
何故かというと、<本当の事>とか<真実>といったものは、およそ信憑性を伴って、然るべき現実的なるものとはかけ離れ、虚構性の度合い、或いは密度といったものが恐ろしいほど高くなり、それ故、深みに嵌るほど、黙して語らず、という状態を余儀なくされるものなのである。
さて、ヨーガというものもそうなのではないかと、私は感じている。
そのパズルがそろうとき・・・。
でもまあ、結局のところ、バカボンのパパが言うように、「これでいいのだ」のひとことに尽きる。(・・・と私は思っている)
先日八ヶ岳に行った際、初日はお天気が悪かったので、以前から行きたかった岡谷市のイルフ童画館へ。
私が好きなモーリス・センダックの常設展示があり、原画もあるから楽しみにしていたのだが、もちろんこれもとってもよかったんだけど、同じく常設展示の武井武雄さんの世界に触れて感動。
ストーリーも、絵も大正時代に描かれたとは思えない前衛的なナンセンスに満ち溢れていて素晴らしい。
なかでも、私のお気に入りが「ラムラム王(王さまではなくて王までが名前)」。
本当の"生まれがい"を探して、いろいろなものに変身しながら(変身の特技あり)ラムラム王はふらっと旅にでるのだが、どうもイカレタ感じが面白い。
淡々としたストーリー展開のなかで、私が好きだった部分。
ラムラム王はある秋の日に丘へおりて、一頭の羊になりました。
獣の世界には強いものと弱いものとはありましたが、王様もなければ家来も兵隊もありませんでした。
その代わり神様がいつも一緒にこの獣たちと遊んでおいでになりました。
人間の眼にはとてもこの神様のお姿は偉過ぎて見ることができないので、いろいろの命だとか、お釈迦様だとか、エス様だとか、そういう人たちのお姿を透して拝んでいるのに、獣たちは本当にのんきに神様になついて遊んでいました。
なるほど、獣の中には一匹だって心配そうな顔をしたのがいないのは神様と始終一緒にいるからだな、と思いました。
私はタイでテーラワーダの方とお話しすることがあって、その方に
「人間に生まれかわらないと、徳をつめないから、ニルヴァーナ(涅槃)に近づけないのですよ」といわれ、「いいえ、でも私はどの命も等しく尊いと思っていて、たとえ鳥に生まれ変わろうと、犬に生まれ変わろうと同じように大切に命をいきて過ごしていると思うのです。」といった。
「それではあなたは次回は鳥に生まれてもいいとおもうのですか?」
「はい、もちろんです」
「それではなかなか仏に近づけませんね」
「・・・」
わたしは、ラムラム王のお話の抜粋のように
獣たちのほうが仏に近いのではないかと思うんだけど、どうなんだろう。
このところ忙しくて、欲しい本はだいたいアマゾンで取り寄せていた。
必要な書籍が翌日には届くインターネット販売はとても便利ではある。
でも、私はやはり書店でぶらぶらといろいろなものを手に取ってみるのが好きなので、今日久しぶりに書店で素敵な本を見つけてうれしかった。
月刊誌のところをうろうろしていると、最新号の芸術新潮に目を奪われる。
芸術新潮は写真も美しく、編集も面白いので楽しみな雑誌であるが、今月号は「古事記 日本の原風景を求めて」という興味深い特集。
パラパラと手に取ってみて、これは即購入。
祖母に買ってもらった本で、何度もなんども繰り返して読んだのが古事記だった。
たくさんの神さまが出てきて、国産み神話に始まって、黄泉の国の話や天岩戸の話など、諳んずることができるくらい読み返した。
挿絵をみながら、神さまを想像していた。
今月の芸術新潮はまさにその頃を思い出させる素敵な一冊。
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文庫のほうが持ち歩きやすいし、この頃は電子書籍などというシステムもある。
こんな時代にでも、単行本で本を手元に置く意義はなんだろう。
重たくてずっしりとして、本のにおいがし、扉をひらくのだというわくわく感と喜び。
装丁をじっくり眺める楽しさ。
装丁で思い出すのは、ミヒャエル・エンデの「はてしない物語」で、重厚で素晴らしく、これ自体にとても意味がある。
(映画とはもう全然違う。すばらしい魅力があり、つよい引力で本のなかに連れていかれるのである)
上品なデザインの箱をひきあけると、美しい緋色の本。
この緋色の本の表紙が物語を通してのストーリーのキイになっていく。 わたしが手放せない宝物の一冊。
ミヒャエル・エンデの作品は、モモもジムボタンシリーズも単行本の装丁がとてもいいので大好きなんだけど、やはりこれが秀逸である。
電子書籍の時代がきても、いいものは、なくならない。
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予約していた本が届いた。
松本大洋の「Sunny 二巻」だ。
彼の作品はどれも大好きなんだけど、「Sunny」はせつなくてあたたかくて、胸のすみがしくしくとする。
こんな風に、気持ちを表現していくことができる人が、同じ時代に生きて、作品をかきつづけてくれていることに感謝する。
絵の一本いっぽんの線も、言葉のつかいかたも。
いい作品にふれると、心が潤う。
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仏教、そして仏教とヨーガのつながりを学ぶためになにかおすすめの本はないですかとのご質問から。
仏教のわかりやすい概論は、岩波ジュニア文庫の「仏教入門」がおすすめです。
日本へヨーガが入ってきた経路を考察するには「空海とヨガ密教」、それから仏教のなかでも密教とヨーガがどのような関連にあるのかを知るには「密教ヨーガ」を参考にされるといいかと思います。
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