2008年6月24日 (火)

仲間わけ

Nec_0118 Nec_0119 Nec_0121 梅雨で本屋も暇である。

絵本の整理をしているといつもの近所の子供(今日は登校拒否、本屋に登校)がやってくる。私が作者別やシリーズ別に整理しているのを見て、「ねえ仲間でわけたら?」と言う。

「仲間?」「そう、かえるはかえる、クマはクマ、ねこはねことかで。」

それは面白いということで、梅雨だけにまずかえるの絵本をあつめる。クマは人気があり、結構国内海外を問わずたくさんある。意外とキツネもある。(こんこんさまって何ー?などに説明しながら)ぞうはぞう、猫は猫。けっこう面白い。こんなわけ方もいいな。思いつかなかった。

ぐりぐらはまあ一くくりとして、だるまちゃんシリーズ(だるまちゃんとかみなりちゃんとか、だるまちゃんとだいこくちゃんとか)は難易度が高く、うーん・・・となる。「これ、人間?」と尋ねられるが、人間なんだけど説明が長くなるんだよと口の中でつぶやく。で、「だるまはだるま。」でくくることにする。

「おだんごぱん」は私たちのお気に入りだけど、「これ、どうしよう」と二人で悩んだ。

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2008年6月19日 (木)

赤い水、黒い水

Nec_0082 Nec_0083 Nec_0084 Nec_0085 インドで一緒になったマナミちゃんは本の装丁や挿絵を描くアーティストだ。たくさんの絵本もこれまでに手がけているが(知らなかったけどうちの本屋にも並んでいた)、今回すばらしいなあと改めて感動したのが「赤い水、黒い水」作品社という本。

9.11のテロを引き金に始まったイラク戦争。なぜこんな時代になってまだ戦いをという想いを抱きながら、作家の鷺沢萌さんがかいた童話である。できるだけたくさんの人にメッセージがゆがむことなく伝えられるようにと、鷺沢さん本人が英語とハングルに訳して同じページに載せている。そして素敵な挿絵を描いているのがマナミちゃんだった。

挿絵はストーリーとともに進みながら、目に響き、やわらかく大きくイメージをふくらませてくれる。絵も言葉も力があるなあ。お二人の人となりがわかる作品だ。

赤い水は、とある国の農民がつくるおいしい葡萄酒で(これをワインと書かないところがまた好きだった。葡萄酒っていかにもおいしそうではないか)、忙しい王様はこの葡萄酒を眠る前に一杯飲むのがなにより楽しみだった・・・という語りから物語りは始まる。

チャンスがあればたくさんの人に手にとって見ていただきたい作品である。鷺沢萌さんのご冥福をお祈りしながら私もまたこの本をひらこうと思う。

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2008年6月12日 (木)

言葉の魅力

Nec_0058 Nec_0059 Nec_0040 うちの本屋で売れ続けているのが「おばけのてんぷら」。

コラージュで切り貼りの絵もかわいいんだけど、うさぎさんがてんぷらを作っているさまが本当に楽しそうでおいしそうなのだ。毎回てんぷらが食べたくなる。

でも子供たちの心をぐっとつかむのは、おばけという少し不思議な存在とてんぷらの組み合わせのようだ。表紙をじっと見て「おばけ・・・てんぷら・・・」とみんなつぶやく。

そこで「おばけのてんぷらってなんやろうね」というと、もう本を開けずにいられないのだ。言葉のつながりには不思議な魅力がある。

さて、店頭にたちばな出版という出版社の本をおいているが、たちばな出版の本を1000円分以上購入者対象にノベルティーを配るというキャンペーンをやっている。時期によってケチャップだったりラーメンだったりいろいろ。今はジャングル大帝ラーメン。私が気に入っているのはこのネーミングではなくて、下のほうにこっそり書いてある「立場ない人に たちばな出版」という小さな文字のほう。

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2008年6月 9日 (月)

英語コミック

Nec_0056 Nec_0057 英語も触れ続けていないとパッと出なくて困る。

読みかけの本を家のあちこちに置いていて、お風呂で読む本、寝る前に読む本、キッチン、リビングなど、全部平行してストーリーを読み続ける癖がある。

寝る前はゆっくり楽しめる本と決めているのだが、先日英語で会話するチャンスで単語がなかなか出てこなくて歯がゆい思いをしたので、以前凝っていた英語コミックを箱から掘り出してきて読むことにした。松本大洋シリーズとか、ドラゴンボールとか、すでにストーリーを知っているものが英語でどんな風に表現されているか読むとまた面白い。(ページ進行が日本版と逆からなんで片手で読みにくいけど)

ドラえもんは英語のふきだしの上にすぐ日本語がかいてあるので、微妙な表現のときはわかりやすい。しばらくこれを読む週間にする。

海外でも私は子供番組を見たり、絵本やコミックを買って現地の言葉を身近にするようにしている。(文法とか本当に苦手なので)外国からの友人は「サザエさん」にはまっていて、家族構成のありかたや季節の行事などがとてもよくわかると毎週録画している。たしかにそうかも。ああいう日常アニメって実は文化を学ぶ上でとても入りやすいのかもしれないなあ。

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2008年6月 6日 (金)

グッとくる本

Nec_0037 Nec_0036 Nec_0035 Nec_0034 時々ながめてはクスッと笑う本。

全部お野菜と果物で出来ている。へっちょこまがったものたちに種で目をつけて、面白い表情がいっぱい。

そういえば子供のころ、なんにでも顔があるように見えていたなあと思い出す。

絵本のよみきかせの先生のおっしゃるには、小さい子供はなかなか淡い色の判別が難しいらしく、原色の絵や本のほうが反応がよいとのこと。確かにブルーナのミッフィーちゃんシリーズなんて全部原色で、なおかつ絵を出来るだけ吟味してそぎおとして、とてもシンプルになっている。シンプルだから伝わりやすいのだ。

大人でも子供でも一緒に楽しめる本だと思う。「どんな きぶん?」いつか本屋に行ったら見てみてください。

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2008年5月30日 (金)

ゆうびんやさんはどこに

Nec_0029 いつも本を読んであげる子がガラリと扉を開けて(まだ手動ドアなので時々お客さんが立ったままドアが開くのをまっている)走りこんできた。

「このゆうびんやさん、どこにいんの?」

うわー、私も読んだことなかったけどシュールな感じのゆうびんやさん。この感情があるようなないようなスケルトンヘッドがまたいい感じで。まあたまにこんな人いるけれども。

「うちにくる人はこんなんじゃなかった。」という。「このひと、きてほしい。」

「そうやな、ゆうびんやさんも時々かわるからね。気をつけてみていたらこの人のときがあるかもよ。」というと、「そうするわ!」と走って帰った。

彼は今日もゆうびんを楽しみに待っているにちがいない。

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2008年5月19日 (月)

棚とさやえんどう

Nec_0027 Nec_0003_2 本屋で私の棚と自分で決めている一段がある。出版社や著者名別ではなく、とにかく今週私が「これ読んで」メッセージを送る棚である。ポップは書かないが、表紙見せをして並べる。内容はランダムで詩集の横に歴史書だったり毎回ばらばらだ。

そこの棚から本が売れていくとなんだかうれしい。見えないメッセージを知らない相手が受け取ってくれたみたいで。

ある日夕刊をいつも店に配達してくれるおじさんが「ここは面白い本がいろいろ並んでるねえ」と手にとって、一冊買ってくれたことがある。それからなんとなく仲良くなった。

昨日夕刊の時間ではないが、おじさんが大きな袋をかかえてお店に入ってきた。見ると両手に袋にはいったさやえんどうをどっさり下げている。自分の畑で今とったところだからと。摘みたてのさやえんどうは緑のいい香りがして生き生きと命がいっぱいだ。ありがとうございます。大地から近い食べ物は身体のなかのエネルギーを満たしてくれる。畑や海から直接いただけるのは最高の幸せだけど、なかなかチャンスに恵まれないので、出来るだけその日に食べるものはその日に買うことを心がけている。

ある人に「私のヨーガの師匠は完全菜食です」といわれたことがある。私は今のところ野菜も好むし、食べたければ魚も食べる、お酒ものむ。酔いたいからではなく、料理と酒が影響しあってお互いの旨みを何倍にもひきたてあうことは素晴らしく毎回感動するからだ。自分がこれはいいなと思う食べ物をいただくことは身体にも心にもいいと私は考えている。人それぞれ。ヨーガをやっているものは菜食でなければとか、これは身体にいいからこうやって食べなきゃとかそういう考えにとらわれることこそ不健康だと思う。食べ物も読む本も自分がとりいれるものは自分で選ぶのだ。自分で選んでとりいれたものが、その人をつくるのではないのかな。

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2008年5月12日 (月)

いちごと2時40分さん

Nec_0001 いちご

毎週本を配達に行く家に、小さな植木鉢に植えられたいちごがあり、それが以前から気になっていた。週に一回いくたびに小さな緑色の実をつけてだんだん大きくなっていくのを見るのが楽しみで。配達先の老夫婦に少し大きくなりましたねとか赤くなってきましたねとか、いつもいちごのことを話していた。ある日よく熟れておいしそうないちごに団子虫が穴をあけて幸せそうに食べているのを発見。こら!って思ったけど、人間だと一口だけどこの子たちには幸せなサイズだと考え直してあきらめていた。

連休で配達を休み二週間ぶりに伺うと、今日はものすごく綺麗な食べごろのいちごが!おばあさんに「いちごが今ほんとうに最高のときです!写真に撮らせてください」というと、「おじいさんとあんたが来たら摘ませてあげようとおいておいたんよ」と庭につれていかれた。そしておばあさんとひとつずつ摘んだ。今の今までお日さまを浴びていたいちごは本当に甘いいい香りで。水にさらして甘いいちごを大事にいただいた。

2時40分さん

毎日2時40分きっかりにくる客がいる。本当に時報のようにやってくる。そして本は買わないけど決まったルートで決まった本を手にとってぐるぐるまわって帰っていく。まず店の外の棚にある週刊誌、それから店のなかに入り鉄道ピクトリアルと鉄道ジャーナルを5分くらい、男子コミックを何冊かパラパラ、女子コミックにうつり絶対「僕は妹に恋をする」をひらく。それから遠慮がちにほんのちょっとしかないエロエロコーナーで遠目に写真をしばらく眺め、最後に「トミカのはしれ鉄道シール図鑑」をひらいてシールをカリカリ。

目があうと急いで本を閉じる。今日はあまりにも長いので本屋のオーナーのお母さんが2時40分さんの肩をトンとたたいたところ、「読んでいません!読んでいません!」といいながら小走りに店を走ってでて行った。30歳くらいでしょうか、2時40分さん。でも間違いなく明日もやってくると思う。

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2008年5月 9日 (金)

遺産

Nec_0128 Nec_0129_2 学生時代の山岳部の顧問の先生に100冊を越す蔵書をいただいた。昭和40年代の岩と雪に始まって、何度もページを繰ってセピア色になったたくさんの山岳本。そして先生がともにあるいてきたウッドデッキの長いピッケルも。

世界の山々を歩いてこられた先生はここ近年名峰ではなく、低山の里山を愛して、低山趣味という本を自分で出版され歩き回っている。

どうしてこんな貴重な蔵書と生死をともにしたピッケルを・・・自分が歩いて来た歴史そのものなのにと先生に尋ねると、自分の家の本棚にあるより、山を歩くひとたちの目に触れるところにあるほうが価値があるから。先生はこの3月で長い教師生活を退職して、やっとゆっくり里山を歩けるようになったからと。

先生ありがとうございます。今はうちの本棚でおさまっているこの遺産は、必ず山を目指すひとたちの目にふれる場所におさめることにします。先生の奥様もおおらかな山の人。以前は険しい日本の沢を笑顔で登ってこられた憧れの人だ。奥様にコクワを漬けこんだコクワ酒をいただく。山でつんできたワラビやぜんまいもいただく。私は歩いていてもなかなか見つけられないのに。

とても大事な遺産を受け継いだ。

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2008年5月 8日 (木)

心に響くもの

昨日 本屋にやってきた幼児がふろくつきのキャラクターものの月刊誌を「買って買って」とわあわあ泣いている。お母さんは読み捨ての本ではなくてよい絵本を選びたいと困った顔で「だめ、その本なら買わないよ」というから、幼児はもっとおお泣きする。

それじゃ、いつものやつをやってみるか・・・と、「これ読んだことある?わたし今からこれ読んでみようっと」と本をちらりと見せてからつぶやいて、大きな声で「だるまちゃんは・・・」と読み始める。泣き声はちょっと小さくなってこちらをチラ見してるが、目が合うとまた泣き出すので無視して読み続ける。「雷ちゃんは・・・うわーすごい!」といって、本をパタンと閉じると近寄ってきて本を開こうとする。まだふてぶてしい態度。お母さんにむかって、「見てみてこの雷ちゃんの浮き輪!」とお母さんにだけ本を見せる。体にしがみついて見せろと騒ぐのでお母さんに渡して、一緒に声をあげて絵を見せながら読んでもらう。

児童文庫を自宅で開いてよみきかせをおこなっている方々にたくさん教わった。「ももたろう」でも「いっすんぼうし」でも私はかわいい絵の絵本を仕入れていたが、実は秋野ふくさんなどの日本画家の方が描かれた迫力のある少しこわいような絵のほうが、圧倒的に子供がひきつけられるのだそう。よい絵本が再版をかさねるのは文章にも絵にも理由があるのだ。店頭の本はお客さんが懐かしいからと取り寄せた本や、読み聞かせの先生に進められた本に徐々に差し替えていっている。問屋が送ってくる本がいい本とは限らないのだ。

店で一緒に声を出してお母さんと絵本を読むと、ほとんどの子供はそれを買って喜んでかえるが、次から「今日も読んで!」と一人でやってくるようになる。うんうん、うれしいよ。本は売れないしなかなか帰らないけどね。店頭には読む用と売る用がある。

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