アーサナやプラーナーヤーマについて語る前に、まずこの近年のヨーガ業界で誤解をうみやすいYOGAという呼称について。
まあ、今の日本は○○ヨガとかもう何もかもごちゃまぜの「売れればいいじゃない」的な混沌状態で、リソースの理解もなにもあったもんじゃないんだけど。
YOGAとは東洋に伝承されてきた価値ある文化遺産で、インドの古代文明にルーツのある古い歴史の自己修練の体系である。
クラシカルなハタヨーガの修行体系はゴーラクシャ・ナータが中世に確立したと言われている。
ゴーラクシャ・ナータがそのスタンダードな技法をゴーラクシャ・シャタカという著書にまとめるまでは、紀元前からずっとバラモンによってのみ口承伝承されてきたものだった。
ここに基盤をおくのが伝統的ヨーガであり、アーサナやプラーナーヤーマ、瞑想などなど多くの技法を組み合わせてサマーディを追求していく。
一方でここ近年、筋トレのようにえんえんとポーズを追及していく体操があるが、これは全く異なるリソースのもの。
上位カーストの子供をしごくための身体鍛錬の体操の先生だったクリシュナ・マチャリア氏がスリアナマスカラなどを含む筋トレを教えていて、それを教わった先生方が○○ヨーガと名前をつけて後世にどんどん広めていったのである。
これは上記のナータ派が確立したクラシックな心身の統合をめざすハタ・ヨーガの自己修練とは目的も異なるし、全く別物であり、むしろ対極にあるといえる。
目的が異なるものに同じ名前がついていること自体おかしいのであって、これが混乱のもとなのだ。
YOGAとは「高度なレベルでの人格・人間性の統合」=サマーディをめざすクラシカルな自己修練の体系。
そして、私がライフワークでともに学んでいきたいのがこの伝統的なヨーガの技法である。
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