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2010年6月28日 (月)

唐人駄場にて

Nec_2233 Nec_2239海癒のある大岐の浜界隈には不思議な場所がいくつかあって、そのなかのひとつに唐人駄場がある。

広々とした平らな土地にぐるりとストーンサークルがあって、丘の上には巨石群がある。
4000年前からのものと言い伝えられているが、いったい誰がなんのために?という意図的な配置。

今回のヨーガリトリートのいずれかのクラスをこの場所で出来ればいいなと思って下見がてら歩きにいったのだが。
車を停めると、そばの屋根のある水場から年配の男性が2人ひょこっと顔を出してこちらを見ているので「こんにちは」と挨拶をしてから、あちこち歩いてみた。
誰もいない広い不思議な空間を味わって、ゆっくり戻ろうとすると・・・
「珈琲飲んでいきませんか?」と先ほどの方が声をかけてくれる。
テントを張ってキャンプしているようである。
急ぐ旅ではないので、「ではいただきます」とお2人のそばのイスに座る。
きれいに頭を丸めたおっちゃんが、本格的にコーヒー豆を挽き、香り高い濃い目の珈琲をいれてくれる。

「キャンプですか?」と尋ねると、「ふふふ、ずっと日本中キャンプ。今はここにいるけど、また次の土地に向かう。ずっと10年こんな暮らしを続けてる」って。
京都の大きなお寺の和尚さんだった方。

「ところで何しにきたの?」と言われたので、実はヨーガをするのにいい場所を探して・・・と言うと、ふむ、とため息をついてから和尚さんがわしも昔はね、と語り始めた。
その昔学生時代(何十年も前だ)にヨーガと出会い、どんどんその奥深さに引き寄せられ、大学を中退して寺に入り、アサナやプラナヤマ、もちろん瞑想もどっぷり行じて数年暮らしたそうだ。
インドにも渡り、サンスクリット語も学び、師を探した。
チベット仏教も学び歩き回った。

「それでね、わかったのは、まだ入口に立ったばかりだということ」
「悟りなんてひらくことは無理なんだということを、悟ったよ」って。

海に入ってその日いただく魚や蟹をとる。(ベジタリアンではないのだ)
珈琲も酒も飲む。 でもまだまだ旅の途中なんだと。
ふーむ、と考え込む私にもうひとりのおっちゃんが笑って話しかける。

「わしはな、和尚さんと違って、学もない金もない。この村の貧しい漁師の家に生まれて、迷うこともなくずっと漁師生活を続けてきたよ。
たしかに金があるか貧しいかって言われたら、貧しい。
でも海に出れば、魚もとれて、畑には野菜があるし米も少しだけどとれる。

もっと金が欲しいとはちっとも思わんよ。
自分よりもっと困ってその日のご飯も食べれん人の足しになるなら、その日の漁で得た金を渡すのは当然じゃわ。
頭がよくないし、悟りなんてものとは縁がない。
魚も野菜もみんなに配ってしまうので、おかげでいつもすっからかん」と歯のない口をあけて笑った。

散歩につれてきた二匹の犬にじゃれつかれ(噛まれ)、二匹が違った方向に駆け出したので、おっちゃんはすてーんと転び、それでもワハハと笑っている。

人生のほとんどをヨーガにつくし、まだ道途中、旅の途中の和尚さんと、この小さな漁師町のホトケ。
なんだか、今のわたしに神様がわざわざ引き合わせてくれたご縁のような気がする。

手をふって、またいつでもいらっしゃいと見送られて、唐人駄場をあとにする。
まるで夢だったのかと思うようなひととき。

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コメント

ゆっさん

ヨガもやっていたんですね!

不思議な人ですよね。

冬は漁の後に海癒の湯によくきていましたよ!

投稿: 海癒みつ | 2010年7月 1日 (木) 06時56分

大岐にも住んでいたと言っていらしたので、絶対みつさんとも知り合いだろうなと思っていました。

本当に不思議な方でした。

ご縁があればまたどこかでばったりお会いすることがありそうです。

投稿: MARI | 2010年7月 1日 (木) 07時35分

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