coyote
coyote 2005年 5号 本棚を整理していたら目に付いた。
ダライラマ法王を敬愛していたので、その頃は何気なく購入して読んでいた。
大きな文化圏をもつチベット、今はその国はない。
中国が自分の領土だと主張し、チベット自治区という名目を与えているが、実際は信仰の自由さえない。
ダライラマという法王の名を口にしただけで投獄されることにおびえながら人々は暮らしているのだ。
50年前、中国政府からの抑圧でその命も危ないとされ、辛いヒマラヤ超えの道を通って法王はインドのダラムサラに亡命することになる。
この本のなかのインタビューで法王が語る。
「インドの国境近くでのこと。
明日はインドとチベットの国境のキンチャンマニにたどり着くという場所だったと思います。
その地に護衛部隊とチベット軍、それにチベット政府の役人も結構いました。
国境を私が安全に越えられるのを確認すると、彼らは、「中国軍と戦いにいく」と言って、戦場にまた戻っていったのです。
とても心が痛みました。
ただ離れ離れになるだけの別れではない。
多くの人が帰らぬ人となるのは間違いないでしょう。
胸が締め付けられる思いでした。
脱出している間で、もっとも覚えている気持ちはおそらくこれでしょう。」
わたしがいつも胸にだいている法王の言葉がある。
「あなたがなにかするときに、それはあなたにとっていいことか、相手にとっていいことか、そして大地にとっていいことか考えなさい。そしていいことなんだと判断したら、それをやりなさい。」
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