« サヲリ織りのお財布 | トップページ | 甲子園口 市民館 3月レッスン変更のおしらせ »

2009年2月22日 (日)

低山趣味

山岳部顧問だったヒロタニ先生から、昼が岳に行きましょうとお誘いをいただいた。
ヒロタニ先生はそれこそ若いときはハードな高所クライミングをしてこられた方だが、ここ近年里山の面白さに時間さえあれば柴犬のハナちゃんと低山を歩き回り、低山趣味という渋い本を著された尊敬する師である。

低山趣味のなかにも記されているとおり、昭和19年に米軍機に追われた特攻機が撃墜され、この昼が岳に落ち、17歳の特攻兵がなくなったと地元の人が語る。
「もし機体のかけらでも見つけたら、線香でもそなえてあげましょう」と、先生を中心に集まった10人くらいのメンバーが枯葉で滑りやすい斜面をそれぞれ登っていく。

60年もたっていたらなかなか樹木もしげっているし、いろんなものが自然にかえっているんだろうなと思いながら登る。
先生がペラっとしたアルミのようなハトメのついたぐにゃりと曲がった板を拾った。
これかもしれないねと。
17歳って高校生だ。どんな思いでいたんだろうか。
でももうそこらへんには彼の気配はない。静かな雑木林やその枯葉がひそひそと降り積もり、穏やかな山の気配だけ。
しずかに胸のうちでマントラをとなえる。

谷をつめて尾根にあがり、昼が岳とその南峰を縦走する。
わたしは地元の方々の同行者のなかで最年少だが、みんなが「これがあけび。あけびの新芽はおひたしにするのよ」とか「今は枯れているけれど、これがイタドリ」「タラの芽」「さるなし」「あけびのツルとさるなしのツル、そしてフジのツルのちがい」など本当にたくさんのことを教えてもらいながら歩く。

はっきりと道しるべの出ている有名な山よりも、こんな里山を尾根や沢に沿って歩き回るほうが勘も読図の力も試される。
別にピークハンターでもなく、低山を歩き回り、その静けさを楽しんでかえる先生たちの姿は逆にわたしには大きくみえた。
名誉欲がない。ただ好きな山を歩き回って楽しむというスタイル。

ご一緒したもう一人の山岳部の顧問のイダ先生は、定年一年まえにあっさり退職して、JICAからホンジュラス、ニューギニアで理科を教えてこられたらしい。
「6月には今度はラオスに理科を教えにいくんや」と。

アルミの懐かしいお弁当箱を美味しそうにからにしながら、イダ先生は高校生のときにやった御岳交通の車掌のバイトの話などをしてくれた。
「高い山もええけど、こんな山をがさがさ藪漕ぎして歩くのが大好きや」と。

山からも先生方からも澄んだ力をもらいました。ありがとうございます。

Nec_0794 Nec_0790 Nec_0792 Nec_0791 Nec_0786 Nec_0787

|

« サヲリ織りのお財布 | トップページ | 甲子園口 市民館 3月レッスン変更のおしらせ »

フィールド」カテゴリの記事

コメント

おぉ。また山にいってはったんですねー。
聞いてると楽しそうですが、迂闊に楽しそうと言えません・・・。
しかし、センセイのオマージュのおかげで、いつになく早い復帰でした!
ありがとうございます(^^)

投稿: つぼ | 2009年2月23日 (月) 23時37分

楽しそうに見えるでしょ。
でも道なんてないから、藪漕ぎと枯葉ラッセルという感じかな。
鹿やいのししのくっきりした足跡とか遊んだあとを眺めつつ、滑落しないように木をうまく使いながら登ります。
ロープは出さなかったけど、一瞬ロープを使いたいような急斜面をおりたり・・・。まあ確かに今回の山行は迂闊にみんなを誘えませんでした。
ハードハイキングでした。またソフトハイキングにお誘いします。

投稿: MARI | 2009年2月24日 (火) 06時40分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 低山趣味:

« サヲリ織りのお財布 | トップページ | 甲子園口 市民館 3月レッスン変更のおしらせ »