今週のわたしの棚
毎週テーマを決めて選んでいるのだが、今週は「詩集」。
まあこれもわたしの好みなので響く方にだけのメッセージだ。
棚に並べていた本が売れると、誰かにメッセージが届いたみたいでなんだか嬉しくなる。
詩人ではないけれど、胸にきた詩をひとつ。
宮沢賢治の遺稿 「眼にて言ふ」
だめでせう
とまりませんな
がぶがぶ湧いてゐるですからな
ゆふべからねむらず
血も出つづけなもんですから
そこらは青くしんしんとして
どうも間もなく死にさうです
けれどもなんといい風でせう
もう清明が近いので
もみぢのわか芽と毛のやうな花に
秋草のやうな波を立て
あんなに青空から
もりあがつて湧くやうに
きれいな風がくるですな
あなたは医学会のお帰りか何かは判りませんが
黒いフロックコートを召して
こんなに本気にいろいろ手あてもしていただければ
これで死んでもまづは文句もありません
血が出てゐるにもかかはらず
こんなにのんきで苦しくないのは
魂魄なかばからだをはなれたのですかな
ただどうも血のために
それを言へないのがひどいです
あなたの方から見たら
ずゐぶんさんたんたるけしきでせうが
わたくしから見えるのは
やつぱりきれいな青ぞらと
すきとほつた風ばかりです
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