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2008年6月30日 (月)

仕事編 Ⅰ どうしても

Nec_0110 アルバイトを含めるとこれまでいろいろな仕事をやってきたなあと思う。けっこうたくさん仕事話があるのでひとつカテゴリーを設けた。

実はたった一日しか続かなかった仕事がある。関係者の方にはご迷惑をおかけしたと反省しているのだが。

学生時代いろんなアルバイトをしたが、飲食店でウェイトレスをやったことがなかった。パラパラと求人誌を見ていると夜の水商売ではないけれど、芦屋の会員制レストランで自給2500円という仕事が掲載されていた。その当時自給850円で水泳コーチをやっていたわたしは、週に1から2回の出勤でOKという条件もよく、何気なく面接にいくことにした。(本当に水商売じゃないのかきいてみようと軽い気持ちだった)

採用人数は2名と書いてあったが、面接にいってびっくり。レストランの外にまでずらずらと女子大生が並んでいて30名くらいいるではないか。うわーこれじゃだめだ・・・しかもみんな綺麗なスーツ姿でこれまた気配りの足りない私は普段よりさっぱり見える程度のパンツとシャツ姿で。番号札を渡されたし、帰るわけにもいかなくて長い行列を待った。

1時間ほど待ってからお部屋に招き入れられた私を待っていたのは、フカフカと毛足が長くて転びそうなカーペットと、上品そうな銀髪の男性だった。面接内容ももうあまり覚えていないが、「すみません、ウェイトレスも飲食業も初めてなんです」と開口一番大きな声で言ったのはおぼえている。やれやれと思いながら家に帰って、また求人誌をみていると電話がありなぜか採用がきまった。翌日研修をやりますのでといわれた。なんで私なんだろうとは思ったが、まあせっかくなので翌日レストランに向かった。

その日は学校は休みで終日研修。驚くことに(普通はそうなのかもしれないのだが初めてだった)制服として白いシルクのブラウスにスリットが入ったロングタイトの黒スカート。10センチくらいのハイヒールまである。ハイヒールを履きなれない私にはそんな靴で毛足のながいカーペットに乗るだけで平均台を歩くようなものである。

そして教育係ロッテンマイヤーさんが登場した。背筋のピシッと伸びたロングドレスを着こなした妙齢の女性である。まずは歩き方のトレーニングから。どうしても大またで歩いてしまう私は「そんなんではスリットが破れてしまいます!もっと上品に!」ときつくお叱りをうける。

次は発声練習。「いらっしゃいませ」「かしこまりました」などなど声に出してみるが、なんと声が大きすぎるとしかられる。いままでのアルバイトで声が小さくてしかられることはあっても、大きすぎて文句を言われたことはなかった。

バブル期の会員制レストランだし、一日一組か二組しか予約はとらない。一回のお客様はだいたい40万円から50万円くらいのお食事料金になる。ほとんどが接待という感じである。大理石ばりのお手洗いはお客様が入られたらすぐに静かに掃除する。いつも静かに笑顔でお客様の様子を見守る。などなど、野生児の私にはもう極限のつらさである。

わたしにとどめをさしたのは、お昼ごはんのまかないであった。もちろんシェフが作ってくれるのだが、その日はカレー。でもカレーののっている食器が・・・なんじゃらというものすごく高価なブランドのお皿。シェフが「気をつけてね、一枚5万円くらいするよ」と小声で教えてくれて。しかもスプーンが銀・・・重いよ!違う意味で!

結局まったく味がわからないままビクビクとお昼ごはんが終了し、午後からは重い銀のトレーでワイングラスを運ぶ練習など。一日で100年分くらい年をとったような気がした。

研修を終えてレストランを一歩でて、どうしてもどうしてもこの仕事は向いていないと思った。申し訳ないとは思ったけど、即日オーナーに電話して正直にお話した。ロッテンマイヤーさんが丁寧に研修をしてくれたのに申し訳ないけど、絶対このまま働くほうがお店にも迷惑をかけると思った。結局オーナーも残念だけど今回はご縁がなかったと考えますと納得してくださった。いやーほんとうにすみません。

でもやはり能率よく仕事をこなすには適材適所って必要な考え方だ。もっとも続かなかった仕事としてこれは私の中のほろにがい思い出である。

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コメント

先日の「再びシッダルタ」の投稿で名前を忘れていました。謎の人物ですいません(苦笑

私もバイトを含めちょろちょろとした種類の仕事はしましたが、私の中では最短記録は
半年でした。
仕事運のない私はご紹介いただいたアルバイトだったこともあり、かなり頑張った方
でしたが、ちょっと無理でしたねー。
一応料亭のお運びさんなのですが、半分ホステスさん的要素もある内容だったので、
性格的に笑顔で接客するには限界もあり、何故か、レギュラ−シフトのお姐さん(50〜60代)
の1人に目をつけられ、結局負けてしまいました。

私の場合、今となっては紹介いただいたからこそ体験できた仕事で、ネタにして話して
いるので結果オーライですけどね(^^)

投稿: つぼ | 2008年7月 1日 (火) 22時21分

うんうん、今となっては面白いよね。どんな仕事もやらないよりやったほうが経験値も増えるし、得意なことが増えて脳みそも活性化するしね。でも半年続けばいい経験だよ。ゆくゆくはいろんな表現のできるアーティストとして世界を席巻してほしいなあ。

投稿: MARI | 2008年7月 2日 (水) 00時19分

どう考えても、まりさんがスリットのはいったロングスカートでウェイトレスしてる姿(それもハイヒールで!)が浮かびません。 とても素敵な仕事だったのでしょうが、相性ってあるんだなーと思いました。
まあ、こんど生まれ変わった時にでもということにして。

投稿: ごまめ | 2008年7月 2日 (水) 08時16分

ええ、ええ、接客のプロのごまめさんにとっては笑えちゃいますよね。でも本当に私があのお仕事をすると絶対にワイングラスぱりーん、お皿ぱりーんだったと思うんですよ。適職って大事ですよね。

投稿: MARI | 2008年7月 2日 (水) 13時30分

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