遺産
学生時代の山岳部の顧問の先生に100冊を越す蔵書をいただいた。昭和40年代の岩と雪に始まって、何度もページを繰ってセピア色になったたくさんの山岳本。そして先生がともにあるいてきたウッドデッキの長いピッケルも。
世界の山々を歩いてこられた先生はここ近年名峰ではなく、低山の里山を愛して、低山趣味という本を自分で出版され歩き回っている。
どうしてこんな貴重な蔵書と生死をともにしたピッケルを・・・自分が歩いて来た歴史そのものなのにと先生に尋ねると、自分の家の本棚にあるより、山を歩くひとたちの目に触れるところにあるほうが価値があるから。先生はこの3月で長い教師生活を退職して、やっとゆっくり里山を歩けるようになったからと。
先生ありがとうございます。今はうちの本棚でおさまっているこの遺産は、必ず山を目指すひとたちの目にふれる場所におさめることにします。先生の奥様もおおらかな山の人。以前は険しい日本の沢を笑顔で登ってこられた憧れの人だ。奥様にコクワを漬けこんだコクワ酒をいただく。山でつんできたワラビやぜんまいもいただく。私は歩いていてもなかなか見つけられないのに。
とても大事な遺産を受け継いだ。
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コメント
ほんとうに「こころ」を受け継いでくれる人に
先生は渡したかったのでしょう。
とてもいいお話ですね。
「コクワ」って何でしょう。果物でしょうか。
投稿: mooトラ | 2008年5月 9日 (金) 23時50分
こくわって、さるなしとも呼ばれています。木になっているのは私も見つけたことがありません。お酒自体は杏酒のような感じで、自然な甘さです。
先生と山を歩くと私はぜんぜん見つけられないのに、たくさんのきのこを見つけて教えてくれます。私が「これは!」と思うのはどれも毒毒きのこです。
投稿: MARI | 2008年5月10日 (土) 06時47分
さるなし、ってまあ「キウイ」ですよね。
私はかなり大人になってから田舎(鹿児島県)で、母方の墓参りにいったときに大伯父から「さるなしの実」っていうのを枝つきで見せられました。私は初めて見ましたが、母は「あらなつかしい」とかいってました。大きさはうーんたしか、銀杏の実くらいかな。色も形もミニチュアのジャガイモみたいな感じで中の果肉が緑だったか、黄色だったかで、つまんで食べたとき味も香りも食感もちょっと熟しきってない、渋みのあるキウイでした。たしか、キウイを辞書で引いても「さるなし」って書いてあったと思います。
投稿: みちよ | 2008年5月13日 (火) 12時23分